everiGo卒業生インタビュー

〜 学歴が関係ないプログラミングとeveriGo 〜

現在、北九州市のWeb開発会社でWebサービス開発を手がける古川さん(仮名・29歳)。
思春期から20代中盤までは特有の「生きづらさ」を感じてたが、北九州市立大学が主催する文科省採択プロジェクト『未経験から半年間でIT就職を目指す人材育成プログラムeveriGo』に参加。
インターンを経てエンジニア職を獲得した。

勉強もスポーツも得意。だけど孤独

小学校の頃は明るい方でした。勉強もスポーツも好きで読書もよくしていました。部活は野球をやっていて、最初はセンターで途中からキャッチャーになりましたね。 肩がつよかったからでしょう。ただ、座ったまま投げるのが苦手で頻繁に盗塁を許しチームに迷惑をかけ、とても辛かったことを覚えています。 それもあり中学生の時は陸上部で長距離を選びました。勉強も変わらず得意でしたが、気を許せる友達がおらず、なんとなく孤独で……

全寮制の難関高校に進学。そして麻雀

受験では毎年何十人も東大合格者を輩出している全寮制の高校を選び、無事合格。信じられない気持ちとそれ以上に嬉しかったです。 ただ、ちょうど中3の時読書などから”死”について考えさせらることが多くなっていて、そんな中での全寮生活に最初はホームシックにかかりました。 そのため入学当初は友達ができず、勉強に集中し成績はよかったです。 周りから「古川はトイレと寝る時以外は勉強している」と言われ、引っ込みがつかなかったのもあります。 2年生以降は友達も増えて息抜きできていました。しかし、高3で同級生に教えてもらった麻雀にはまり、みるみる成績が落ちていきました。 ダメ元で東大を受けるも玉砕して浪人。プライドから予備校に行かずに自宅浪人し成績がふるわず、第一志望ではない大学に入りました。 難関大学ではありましたが、高校のレベルから考えると落ちこぼれたと思います。

摂食障害。オンラインゲームに救われる

大学に入った頃は、過度にストイックな生活に憧れ、仕送りのほとんどを読書に使って1日1食という生活をしていました。 その反動か2年生の頃に甘いものを爆食いするようになってしまい、食べることが頭から離れず1日に2000円くらい食費に使い、 一挙に15キロくらい太りました。今思うと典型的な摂食障害だったと思います。 仕送りを無駄に使うことへの引け目と見た目へのコンプレックス、何よりそんなことで悩んでいる自分がとても辛かったです。 そんな時にオンラインで繋がった友達に勧められオンラインゲーム(FPS)をはじめたのですが、これが面白かった。 夢中にプレイして、あっという間に摂食障害が改善しました。それからゲームは1日に12時間はやっていたと思います。 本は読めば読むほど自分というのが何ものなのかがわからなくなり、”自分はからっぽだ”と思いましたが、 ゲームは極めることで”何ものかになれるのでは”という期待を持たせてくれました。 また当時はオンラインゲームがそんなに一般的ではなかったので、黎明期特有のワクワク感もありましたね。

学歴が関係ないプログラミングとeveriGo

中退後は実家に帰りました。コロナが流行ったタイミングで、父母妹の4人暮らしでした。 しかし、司法試験に向け勉強している妹からある日「ゲームの音がうるさい」と苦情が入りました。 妹の勝負を邪魔するわけにはいかないと、その時初めてゲームの時間を減らしました。 親の庇護下にいると、親の機嫌や兄弟の状況次第で、自分のゲーム生活が脅かされる。 ゲームを続けるには食い扶持を見つけて、自立せねばならない。ずっと気づいていて先送りにしていた問題を突きつけられました。 ゲームをするには避けては通れない。その頃空いた時間でネット検索をしてプログラミングと出会いました。 大学で物理学を専攻していたこともあり「どうやってシステムはうごくのか?」などものごとの法則や原理に魅了されはじめました。 もちろんプログラミングは学歴も関係なさそうだと思ったのもあります。 プログラミングができる仕事をしたい。しかしネットを調べても何をどのくらいやれば就職できるかが掴めず、 ポートフォリオの作成を目指すも、仲間や指導者がいない環境では、 詰まってすぐに勉強をやめてしまう、そして再開しては挫折ということを繰り返してしまいました。

そんな自分を見て、親から北九州市立大学が主催する文科省採択プロジェクト『未経験から半年間でIT就職を目指す人材育成プログラムeveriGo』を紹介され、参加しました。

本格的なWebサービス「SHIBAKAWA」を使用した超実践的な課題

最初は座学主体でOfficeの扱い方や本にありそうなことがメインでした。しかし翌月からは、Laravel(Webシステムを開発するためのPHPをベースとしたフレームワーク)で実装された電子書店サービス「SHIBAKAWA」を使った、本格的な改修に入りました。 聞くと「SHIBAKAWA」は、実際に稼働・運用されている電子書籍Webサービスのアーキテクチャをベースにしているそうです。 最初は「SHIBAKAWA」にテキストを追加したりcssを修正したり……のような軽微な保守・運用課題から始まり、最終的にはチームで本格的な機能追加まで行います。 徹底的に実践へ寄せるためにDocker(システム環境を梱包して簡単に配布できるようにするためのシステム)やGithub(プログラムのバージョンを管理するためのシステム)、クラウドなども使われており、”即戦力になる新人”になるための必要なことを効率的に学べるようになっていました。 またこの講座は「自分の頭で考える」ことを大切にしていますが、QA票にあげた質問に対して、現役エンジニアのヘルプデスクの方が丁寧に回答してくださいました。 everiGoのおかげで、Web開発の解像度が一挙にあがった気がします。 チームでの活動については少し不安はありましたが、異なるバックグラウンドながら同じような悩みや目標を持つ受講生の方が多く、無理なくコミュニケーションが取れ、 人間関係でのストレスはほとんどありませんでした。 また、平日の10-16時という時間が短すぎず長すぎずで、生活リズムを無理なくつくれたところも自分にはありがたかったです。 ゲームをする時間も減りました。

インターンを経て今の会社へ

everiGoで紹介された会社のインターンを経て、現在の会社に就職することができました。 グループ全体で120人位の会社ですが、Webサービス全体に関われ、トレンドの新しい技術を使い自社内で開発ができます。 新しい技術は古い技術のアンサーだと思っているので、未来のある技術をおさえられるのはシンプルに楽しいです。 新人ですがバリバリ開発に携われて、フラットでストレスがない人間関係もありがたいと思っています。 黎明期のオンラインゲームの世界を思い出します。

ゲームと次の目標

現在はReact(Webシステムを開発するためのJavaScriptをベースとしたフレームワーク)とLaravelで実装されたWebサービスの開発に携わっています。実装だけでなく、 人材育成やオフショア先のアフリカにあるスタートアップチームとブリッジSE的な業務にも関わっています。 将来的には、自分のペースで現在の技術に詳しくなってレビューできるようになり、新しく入った人に教えられるようになっていたいです。 今の仕事をつづけていればゲームから卒業しても目標が自然と見えてくる確信があります。 その時はその目標にゲームにかけていた情熱と誠意をかけて取り組んでいきたい。 プログラミングには、情熱をかける価値があると感じています。